工作物による労働災害(大阪高判平成6年4月28日)

市のごみ処理プラントで作業していた技師のAさんが水素ガスの爆発により飛ばされて脊髄損傷を負った事故です。
裁判所は、「作業員が高所作業をする必要があるのに、十分な墜落防止設備を備えていない瑕疵があった」として、使用者の工作物責任を肯定しました。

損害額

付添看護費       2475万8497円
自動車の購入・改修費  394万6291円
通院交通費        21万0580円
文書料           1万1650円
家屋改修費       353万7358円
逸失利益        3055万1917円

(公務員で基本給に影響ないとして、事故後に禁止された時間外労働等の手当の減少分について67歳まで29年間分を算定。)

 

慰謝料        

3000万円

本人の過失を5割と認定。上記の各2分の1を損害賠償の対象とした上で、傷病補償年金合計2151万9215円が支給されていたことから、逸失利益は既に補填されている(3055万1917円÷2=1527万5958円<2151万9215円)として、弁護士費用312万円を加えた合計3435万2188円及び子供2人に近親者への慰謝料として各250万円をそれぞれ支払いを命じました。